
テレビの討論番組でもよく話題となるゆとり教育。
今までの詰め込み教育から一転して、授業量を減らしてゆとりを持たせ、また競争をなくし、個性を尊重するような教育を目指して数年間に渡って行われました。
そのゆとり世代と呼ばれる人たちは他の世代と比べて、いったいどのような特徴があるかチェックしてみましょう。
ゆとり世代っていつから?
今の若者をゆとり世代と総称することが多いですが、どこからどこまでが一般的に言われるゆとり世代なのかが曖昧な人が多いと思います。
なので、まずはゆとり世代と呼ばれる年齢層を確認しておきましょう。
ゆとり世代に正確な定義は存在しませんが、一般的には2002年度に改正された学習指導要領(いわゆる,ゆとり教育)から2011年度に改正された学習指導要領(いわゆる,脱ゆとり教育)までの間に1年間でもゆとり教育を受けた世代のことを言い、1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれの人が該当します。
また、狭義として、ゆとり教育を色濃く受けている、1987年~1995年生まれをゆとり世代とすることもあります。
ゆとり教育では、今までの知識重視型の教育方針を詰め込み教育であるとして、学習時間を減らし、経験重視型の教育方針に変えることを目指しました。
その大きな改正点としては、完全週休二日制や総合的な時間の導入があります。
ゆとり世代と揶揄される理由
テレビではよく、ゆとり世代についての議論が起こることが多いですが、そのほとんどはゆとり教育は失敗であり、ゆとり世代は他の世代と比べて劣るというようなネガティブな主張がされることが多いです。
主張されるものとしては基本的に次の2つになるかと思います。
・学力
・社会性
なので、ネガティブに議論される主張としては
『ゆとり世代は勉強していないから馬鹿』
『ゆとり世代は考えが稚拙』
という大体二つの意見に集約されるかと思います。
ゆとり世代の大半が学生だった2010年以前は、『学習時間の大幅な削減により馬鹿になった』という話が多かったですが、2010年以降特にゆとり世代が大学を卒業し社会に出始めてからは『ゆとり世代は社会性が欠けている』という話が多くなりました。
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一般的に言われるゆとり世代の特徴とは一体どういったものなのでしょうか?
ゆとり世代の特徴1:プライベートを優先
ゆとり世代の場合、仕事とプライベートがあれば、プライベートを優先する傾向があります。
仕事はプライベートで使うお金を確保するための手段であり、
仕事=生きがい という今までの世代の考え方を持つ人が多いようです。
また、組織での結束や上司の重要性もあまり考えないので、上司との飲み会も自分が乗り気ではなかったら、きっぱりと断ってしまいます。
ゆとり世代の特徴2:打たれ弱い
『今の若者はちょっと怒るだけで、すぐめげる』と嘆いている上司が多いです。
ゆとり世代は失敗を恐れる傾向があり、少しの失敗でも大きく落ち込んでしまうから叱り方が難しいと考えているみたいです。
また、少し叱っただけで病欠を理由に会社を休み、そのままフェードアウトする形で会社を辞める人もいるということです。
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ゆとり世代の特徴3:自主性がない
自分から動きださずに、指示や答え待ちの姿勢が強く見られ、答えの存在するマニュアルに強く依存する傾向があるようです。
そして、ビジネスにおいて上司に提案をする場合、自分の考えを主張するのではなく、それが合っているかどうかを気にします。
小さいころから身近にインターネットがあり、探せばすぐ答えが出てくるので、答えは考えて出すものではなく、探して見つけるものだという傾向が強いということです。
ゆとり世代の特徴4:貯蓄傾向にある
会社で稼いだお金を趣味や遊びに使うのではなく、しっかりと貯蓄に回す傾向が強い人が多いようです。
ゆとり世代は1987年生まれ以降であり、物心がついたころからずっと日本の経済の停滞を目の当たりにしていて、経済が上昇するイメージを持てないので、将来のために貯蓄する思考になるのでしょう。
ゆとり世代の特徴5:自己成長に焦燥感を持っている
ゆとり世代は多くの倒産劇を目の当たりにしているので、自分の会社がいつ倒産するかもわからないという前提で考えています。
そのため、組織よりも個人の価値を高めるために、自己成長に重きを置くようになっています。
なので、早く市場価値のある人間になろうと努力をしていくので、思い通りに成長出来ないことに焦燥感すら覚えるようになっているということです。
豆知識:ゆとり教育で『円周率が3に変わった』はデマ
ゆとり世代の学習面を非難する象徴として『ゆとり教育で円周率が3.14から3に変わった』という主張がよく挙げられます。
これはテレビでも大々的に取り上げられていたので、未だに多くの人は『ゆとり世代は円周率を3で勉強した』と思っているかと思います。
しかし、実は円周率は、今も昔もゆとり世代もずっと”3.14”で変わっていません。
2002年からの指導要領であるゆとり教育では円周率に関する文言としては、『円周率としては、3.14を用いるが,目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮するものとする。』と書いてありました。
この『目的に応じて3を用いて』という部分に着目して、ゆとり教育では円周率が3になったという話が出てきました。
しかし、実はこの文言は1992年から行われていた、ゆとり教育のひとつ前の指導要領でも
『円周率としては、3.14を用いるが,目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮するものとする。』と一言一句全く変わっていないのです。
なぜ、ゆとり教育だけ円周率が3と言われてしまったのか?
実は、ゆとり教育で変わったことの一つに、小数計算において『少数点は第1位まで計算を取り扱うものとする』というものがあります。
これに則ると、円周率は3.1で計算することになりますが、円周率に関する文言は『円周率としては、3.14を用いるが,目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮するものとする。』と変わっていないので、本来の意味合いは『円周率だけは今まで通り3.14を用いる』ということなのです。
この『小数点は1ケタまで』『目的に応じて3を用いて』という部分を勝手に解釈して、『円周率は3になる』という風に捉えたので、このような報道が各所で出回っていたのです。
ゆとり世代も円周率は3.14で変わっていませんので、間違っても『ゆとりは円周率3だから。。。』という批判はしないでください。
マスコミの情報を鵜呑みにしないように気を付けましょう。
特徴のまとめ
特徴1:プライベートを優先、特徴2:打たれ弱い、特徴3:自主性がない、特徴4:貯蓄傾向にある、特徴5:自己成長に焦燥感を持っている
これらの特徴から考えられることとして、ゆとり世代は日本の将来を悲観的に見ており、自身の経済的不安を常に感じている人が多いということです。
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こうした社会情勢では、失敗することは『生存の危機』に繋がることを想起させやすいので、失敗に極度の恐れを感じており、また、会社に依存しないように自己成長を求めるようになっていきます。
そのため、会社に対する優先度は下がってきており、より個人を大切に思うような行動に走りやすいということです。
余裕がないときは、他人よりも自分を優先してしまう。
そして、考え方はより保守的になってくる。
こうした特徴はゆとり教育によるものというよりは、ゆとり世代の育ってきた社会情勢によるものが大きいのかと思っています。
そして、ゆとり世代の中でもこうした保守的な考えが色濃く出てきているのがさとり世代です。
さとり世代とは
ゆとり世代の中でも1994年生まれ前後の世代を『さとり世代』と呼ばれています。
さとり世代とは、結果をさとり、高望みをしない世代のことで、
『車に乗らない、ブランド服もいらない、スポーツをしない、酒を飲まない、旅行もしない、恋愛には淡泊』というような特徴を持っています。(ゆとり世代という名はゆとり教育からきているが、さとり世代は特に明確な提唱元はない。)
日本の経済が上昇していくことはないと思っているので、現状維持ができれば、それで十分だと考えている世代だということです。
ここ15年で実に50万円近く平均年収が下がってしまっています。
そして、今後も少子高齢化による社会負担増、経済停滞による平均収入減という現実が来ることが容易に予想されるため、現状維持で十分だと考えるのです。
今後の展開
『若者の姿は社会を映す鏡』とも言いますが、こうした変化はまず社会の変化の影響を受けやすい若者から始まり、遅かれ早かれ最終的には全ての世代に波及していくようになります。
政府が対策をとらない以上、企業が倒産するペースは今まで以上のものになっていくと予想され、どの世代においても会社から放り出されてしまうリスクは増えてきます。
こうした状況下の中で会社にのみ依存し続けていると考えていくと後々つらい思いをしていくことは目に見えています。
なので、今後しっかりと経済的な安定を求めるのであれば、会社以外にも収入源を得ていく必要性が高まってくるのかと思っています。
今現在、僕はそういった社会の先を見越して行動したいと思っている人向けのメルマガを配信しています。
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