裁量労働制の対象職種拡大を推進する理由とは!?法案内容の問題点や36協定との関係

最近、働き方のニュースで良く出てくるのが裁量労働制という言葉。

今後、営業職にまで対象職種が
拡大していくとして、その是非が問われています。

今回は、政府が裁量労働制の職種拡大を進める理由や
法案内容の問題点についてみていきたいと思います。

そもそも裁量労働制とは?

裁量労働制とは、一言で言うと
実際に働いた勤務時間に関わらず、
あらかじめ決められた「みなし時間」を基準に給与を支払う制度です。

例えば、1日のみなし労働時間を8時間と定められた場合、
実労働が5時間であっても、10時間であっても、
同じ8時間分の給与が払われるということです。

ただ、この裁量労働制は
すべての職種で適応できるものではなく、
現在、この裁量労働制が適応できるのは
「専門業務型」と「企画業務型」の2種類となっています。

専門業務型 (クリエイティブ職)

デザイナー、プロデューサー、弁護士など
労働時間よりも成果の内容が重視される
クリエイティブ職やエキスパート職の仕事内容に適応されます。

現在、裁量労働制が導入可能となっている専門業務型は以下の通りです。

  1. 新商品・新技術の研究開発
  2. 情報システムの分析、設計
  3. 取材、編集
  4. デザイナー
  5. プロデューサー、ディレクター
  6. コピーライター
  7. 公認会計士、弁護士、建築士(一級建築士、二級建築士、木造建築士)、不動産鑑定士、弁理士、税理士、中小企業診断士の業務
  8. システムコンサルタント
  9. インテリアコーディネーター
  10. ゲーム用ソフトウェアの創作
  11. 証券アナリスト
  12. デリバティブ商品の開発
  13. 大学での教授研究

企画業務型 (ホワイトカラー)

企業内において、企画・立案・調査および分析を業務とする立場の人に適応されます。

企業の経営戦略や新商品企画立案など、
一つの判断やアイデア次第で成果が変わる業務は
時間単位で成果が見えにくいため裁量労働の対象となっています。

いわゆる、ホワイトカラーの職種となります。
関連記事:裁量労働制とは?メリット・デメリットをわかりやすく簡単に解説

実は裁量労働制は以前から行われている

裁量労働制という言葉はつい最近ニュースで一気に出始めてきたので、
新しい法案であると思っている方も多いかもしれませんが、
実はこの制度は1987年の労働基準法改正の際に新規導入されたもので、
今回はその対象職種がさらに拡大することが争点になっています。

1987年に裁量労働制が新規導入された際には

  1. 新商品・新技術の研究開発
  2. 情報システムの分析、設計
  3. 取材、編集
  4. デザイナー
  5. プロデューサー、ディレクター

の「専門業務型」の5業務から始まり、
1993年の改正で

  1. コピーライター
  2. 公認会計士、
  3. 弁護士
  4. 一級建築士
  5. 不動産鑑定士
  6. 弁理士

の「専門業務型」6業務の対象職種が拡大、
1998年の改正で

  1. 二級建築士および木造建築士
  2. システムコンサルタント
  3. インテリアコーディネーター
  4. ゲーム用ソフトウェアの創作
  5. 証券アナリスト
  6. デリバティブ商品の開発

の「専門業務型」7業務の職種拡大と、「企画業務型」の創設、
2003年の改正で

  1. 大学での教授研究

の「専門業務型」1業務の職種拡大と「企画業務型」の規制緩和
という変遷を遂げている。
関連:裁量労働制の改正経緯(厚生労働省)

今改正は企画業務型裁量労働制の見直し

今回の改正での争点は、
企画業務型の規定がさらに緩和されるということ。

企画業務型の対象職種に
「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」の
2つの職種が追加されます。

1.課題解決型提案営業

例:取引先企業のニーズを聴取し、社内で新商品開発の企画立案を行い、当該ニーズに応じた商品やサービスを開発の上、販売する業務 等

2.裁量的にPDCAを回す業務

例:全社レベルの品質管理の取組計画を企画立案するとともに、当該計画に基づく調達や監査の改善を行い、各工場に展開するとともに、その過程で示された意見等をみて、さらなる改善の取組計画を企画立案する業務 等
関連:改正法律案概要(厚生労働省)

つまり、
「課題解決型提案営業」は法人営業職のような職種
「裁量的にPDCAを回す業務」は総合管理職のような職種
といったものになるかと思われます。

裁量労働制の拡大を推進する理由と問題点

以前、安倍首相が
「モーレツ社員という考え方自体が否定される日本にしていきたい」
と発言しているように、現在政府は長時間労働の改善を目指して、
「働き方改革」を推進しています。

そして、その働き方改革の政策の一環として
進められているのが裁量労働制の拡大。

専門職や企画職など、時間単位での成果が見えにくい職種においては
雇用者が自分の裁量で働く時間を決められることで、
より生産性増加と労働時間の減少が進み、
働きやすいライフスタイルを実現できると主張しています。

そして、その主張にあたって
「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば、
一般労働者よりも短いというデータもある」という答弁をしたのですが、
実はこの答弁の根拠となるデータには著しく不備があり、
結論ありきのデータ捏造として大きな批判を集める結果となってしまいました。

また、裁量労働制の拡大は、
むしろ、企業側が労働者の立場の弱さにつけ込み、
残業代の削減と長時間労働の助長に繋がるとして、
企業都合の定額働かせ放題制度と揶揄されています。

つまり、この裁量労働制は
人にとっては働きやすくなる良い制度、
人にとっては働かされやすくなる悪い制度
となりうる制度改革なわけです。

また、長期労働の改正に関しては、
裁量労働制の拡大ではなく、
時間外労働の上限規制をすべきとの声も上がっています。

裁量労働制と36協定の関係

時間外労働の上限に関わるキーワードにの一つが36協定。

会社には法定労働時間(1日8時間、週40時間)というものがあり、
それを超える時間外労働及び休日勤務などを命じる場合は、
書面による協定(36協定)を結び労働基準監督署に届け出る義務があります。

そして、その延長時間にも上限基準があり、
1カ月45時間、1年間360時間までしか残業させてはいけない決まりです。

しかしこの36協定には、
「特別条項」というものを付けて協定を締結することで、
極端な話、無制限に労働時間を延長できるという問題点がありました。

しかし最近になってこの特別条項の上限も設定され
1カ月100時間、 2~6カ月平均80時間などとに制限されています。

ただ、裁量労働制を採用した場合、
時間外労働の上限問題が再度可燃してしまう懸念があると言われています。

というのも、裁量労働制の場合、
実際に働いた勤務時間に関わらず、「みなし時間」が基準となるため、
時間外労働がいくらあっても、みなし時間では協定時間の超過ではない
と判断されかねないと考えられているからです。

まとめ

最近よく話題に上がってきている
裁量労働制ですが、問題の争点としては、
職種拡大の規制緩和が進むことにより、
サービス残業の温床になりうる懸念があるということ。

政府は、雇用者が自分の裁量で働く時間を決められることで、
より生産性増加と労働時間の減少が進むと主張するが、
むしろ、企業側が労働者の立場の弱さにつけ込み、
残業代の削減と長時間労働の助長に繋がる可能性が高いと批判されている。

長期労働を是正するためとはいうが、
それならば、無制限に労働時間を延長できる
現在の36協定の特別条項を見直すほうが直接的であり、
裁量労働制の拡大は、人件費の抑制に繋げたい企業側の
意向を汲んでいる改革ではないかとの見方が多いです。

政府が裁量労働制を推進することによって、
一部の人にとっては、より働きやすい環境になるのは事実です。

ただ、その一方で、
現在、ブラック企業に勤めている方々にとっては、
より一層、過酷な働き方を強いられると大いに予想されます。

もし、自分の会社の中で裁量労働制が実現された場合、
会社や上司はどちらの働き方を自分に課してくるかと予想できますか。

もし、後者の現実が容易に予想される場合、
こうした状況下の中で会社にのみ依存し続けていると考えていくと
後々つらい思いをしていくことは目に見えています。

ですので、今後しっかりと経済的な安定を求めるのであれば、
会社以外にも収入源を得ていく必要性が高まってくるのかと思っています。

今現在、僕はそういった社会の先を見越して
行動したいと思っている人向けのメルマガを配信しています。

詳しくはこちらをご覧ください。

☆受講者6000人超☆ 東大生の無料メール講座 ~会社に依存しない方法~

レベル別ネットビジネス講座


コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ